礼服?スーツ?知っておくべき結婚式のメンズ服装選び

礼服?スーツ?知っておくべき結婚式のメンズ服装選び

主にかしこまった場面で着用する「礼服」ですが、日頃身に付けるスーツとの違いについては、知らない人も多いのではないでしょうか。両者の間には厳密な違いがあり、礼服には数多くの種類が存在します。

ここでは特に、結婚式に出席する際の礼服に注目し、男性のフォーマル服にはどんな種類があるのか、気を付けるポイントについて紹介します。

男性礼服の種類

礼服と聞くと、単に「黒色のスーツ」を想像する人も多いのではないでしょうか。
確かにそれは、まるっきり間違っているわけではありませんが、だからといって、礼服が必要な場面で常に「黒色のスーツ」を着用していると、知らない内に恥をかいてしまうこともありえます。

ここでは礼服について、正礼装・準礼装・略礼装の区分と共に、それぞれどんな場面で着るのが適切なのか、どんな人が着るのが適切なのかを紹介していきます。

正礼装

正礼装

「正礼装」とは、礼服の中でも、もっとも格調高いものを指します。
正礼装は主として「格調高い行事」で「人をもてなす側に立つ時」に着用されます。

正礼装として知られる礼服には「モーニングコート」と「燕尾服」があり、それぞれ行事が行われる「時間帯」によって着分けられています。

ここでは、それら二つの正礼装について詳しく解説していきます。

モーニングコート

「モーニングコート」は、主として昼(午前~18:00まで)に着用される正礼装です。

上着の前裾が大きく斜めに切り取られた形状をしており、元はイギリス貴族の乗馬服として用いられたといいます。どういった形式のものか、イメージが湧きにくい場合は、内閣総理大臣が宮中行事や、就任式で身に付けている衣装を思い浮かべれば、分かりやすいのではないでしょうか。

結婚式における「モーニングコート」は、主に「新郎新婦の父親」が着用する衣装となっています。
結婚式のような慶事では、上着とベストを黒、下はグレー系統色の縦じまスラックス(コールズボン)を組み合わせて着用するのが一般的。黒いベストを用いる場合は、白襟のアタッチメントを取り付ける必要があるので、注意が必要です。

また、服装を明るめに見せたい場合は、ベストをグレーやシルバー系統のものに替えても構いません。さらに、上着の胸ポケットには、白無地のポケットチーフ(シルクかリネン素材のもの)を挿しておくのがマナーとなります。

シャツは「ウイングカラー」と呼ばれる特殊な襟形状のものか、白無地のレギュラーカラー(普通のワイシャツ)を用います。そして、手には布製か革製の白手袋を装着します(または右手に持っておきます)。

シューズは黒の本革製で、穴飾りが施されていない「ストレートチップ(つま先に一直線のデザインがある革靴)」か、「プレーントゥー(つま先にデザインがない革靴)」を用意しましょう。

燕尾服

「燕尾服」は、夜(18:00以降)に着用される正礼装です。別名「テールコート」とも呼ばれ、その名の通り、上着の前裾を短くカットし、後裾を燕の尾のように垂らした形状が特徴的です。

結婚式において「燕尾服」は、モーニングコートと同じく「新郎新婦の父親」が着用する衣装となっています。燕尾服の形式はほぼ決まっているため、ファッションアレンジを利かせる余地はほとんどありません。

上下は黒一色、ベストは白色のものを身に付けるのが一般的で、上着の胸ポケットには白無地のポケットチーフ(リネン素材のもの)を、スリーピークス(フォーマルな場でのハンカチの折り方)で挿します。

シャツは、襟元が「ウイングカラー」になっているものを着用し、白無地の蝶ネクタイを着けます。
また、手にはモーニングコートと同じく、白手袋を装着(または右手に持っておく)しましょう。

シューズには、光沢のある黒色エナメル靴を選択します。
デザインはストレートチップのものか、オペラパンプス(リボンのついた男性用革靴)を用意しましょう。

準礼装

準礼装

「準礼装」とは、正礼装に次いで格調高い礼服のことを指します。
正礼装が「もてなす側」の最上位の礼服であるなら、準礼装は、「もてなされる側」の最上位の礼服と言えるでしょう。

結婚式で準礼装を身に付けるのは、主賓クラスとして式に招かれた場合です。

ディレクターズスーツ

「ディレクターズスーツ」は、主として昼(午前~18:00まで)に着用される準礼装です。
厳密にいうとディレクターズスーツという種類の衣服があるわけでなく、黒い背広ジャケットとコールズボンを組み合わせたファッション様式を指して、ディレクターズスーツと呼びます。

日本においては、ディレクターズスーツに用いる黒い背広ジャケットが、そのまま「ディレクターズスーツ」の名で売られていることも多くあります。

結婚式においてディレクターズスーツは、乾杯の音頭を任される立場や、スピーチを任される立場の人(主賓)が身に付ける衣装です。つまりは「仲人」や「友人代表」など、式において何らかの役割を持つ場合に、ディレクターズスーツを着用します。

ディレクターズスーツの上着ジャケットには、黒無地で二つボタンのテーラードジャケットを用いるのが一般的です。ジャケットの内にはグレー系統のベストを着込むと良いでしょう。

シャツは白無地のものを着用します。シャツの襟タイプについては、ウイングカラーでもレギュラーカラーでも構いません。ネクタイはモノクロのストライプ柄(コールタイ)か、シルバー、グレー系統のものを用意します。
そして、正礼装の時と同じく、胸元には白無地のハンカチを挿しましょう。

スラックスは、グレーと黒のストライプ柄(コールズボン)を選ぶのが主流です。
しかし、人によってはライトグレー一色のものや、千鳥格子デザインのものを選ぶ場合もあります。

足元のシューズには、黒いストレートチップを用意しましょう。

タキシード

「タキシード」は、夜(18:00以降)の準礼装です。
結婚式においてはディレクターズスーツと同じく、「主賓」として招かれた人が着用する礼服となっています。ファッションの移り変わりとともに、近年では燕尾服に代わる「夜の正礼装」として、タキシードが用いられる場合も多いです。

タキシードの上着ジャケットには、「ショールカラー」と呼ばれるヘチマ型の襟形状をしたものや、「ピークドラペル(剣襟)」という襟形状のものが用いられます。
上着ジャケット、スラックスは、上下ともに黒無地で、生地としてはサテン生地を使用したものが一般的です。

ジャケットの下に着用するシャツは、ディレクターズスーツと同じく、襟タイプがウイングカラーかレギュラーカラーで、白無地のものを用意しましょう。

ネクタイは黒の蝶ネクタイを着用します。また、他の正礼装、準礼装と同じく、胸元には白無地のハンカチを挿しましょう。

シューズは、黒のエナメル革靴を履くのが一般的です。デザインとしては、ストレートチップか、オペラパンプスを用意しましょう。

略礼装

略礼装

「略礼装」は、主賓以外の一般ゲストが着用する礼服です。
いわゆる「ブラックスーツ」や「ダークスーツ」と呼ばれる服装を指し、もっとも着用機会の多い礼服とも言えるでしょう。普段着るようなビジネススーツとは、色や素材といった点で差異があります。

略礼装の場合、先に述べた正礼装・準礼装と違い、昼夜で着分けるといったことはありません。
また、正礼装・準礼装に比べ、着こなしの自由度も高く、シャツやネクタイなどでアレンジしやすいのも特徴です。

ブラックスーツ・ダークスーツ

「ブラックスーツ」は、代表的な略礼装です。
いわゆる「黒無地のスーツ」を指し、結婚式では、主に一般招待されたゲストが着用します。

ブラックスーツの中には、一般的なビジネススーツとして扱われているものから、礼服専用の素材でできているものまで、様々なものがあります。特にドスキンやタキシードクロスといった、礼服専用の素材で作られているものほど、濃く深い黒色を持っており、フォーマルな場に合わせやすくなっています。

結婚式にブラックスーツを着て行く場合は、白無地のシャツに、白色かシルバー系統色のネクタイを合わせて着用するのが一般的です。
また、靴に関しては、黒のストレートチップかプレーントゥーを用意しましょう。

黒無地以外の暗い色合いのスーツを「ダークスーツ」と呼びます。
ブラックスーツと同じく、主に一般招待されたゲストが着用する略礼装です。ダークスーツを着て結婚式に出席する場合は、新郎より目立たない色にすることを意識しましょう。

具体的な色としては、ダークネイビーやダークグレーが好ましいと言えます。柄はブラックスーツと同じく、無地のものにしておくと無難です。シャツやネクタイについては、白やシルバー系統のものにしておけば、間違いはありません。

ただ、友人の結婚式にゲスト参加するような場合は、シャツやネクタイの色を鮮やかなものにしても構いません。その場合は、清潔感を大切にし、上品さが失われないように気を付けましょう。

また、ダークスーツに合わせる靴は、黒のストレートチップかプレーントゥーがおすすめです。

礼服とビジネススーツの違い

礼服とビジネススーツの違い3

礼服とビジネススーツの違いについてよく分からないまま、ただ漫然と着分けている人も多いのではないでしょうか。

ここでは、一見似たような見た目をしている礼服とビジネススーツについて、どのような点に違いがあるのか解説していきます。

色合い

礼服とビジネススーツの違いとして最初にあげられるのが、色合いの違いです。

一般的にスーツというものは、色が濃いほど格式高く上質なものとみなされます。
そのため、黒一色のスーツがもっとも格式高く、それに近いダークネイビーやチャコールグレーのスーツも、格式高い服装(=礼服)とみなされるのです。

ビジネススーツに多い明るい色合いはおしゃれである一方、格式高い服装とはみなされません。

また、基本的に礼服と呼ばれるものは、無地であるのが望ましいとされます。
なぜならストライプなど柄が施されているスーツは、ビジネスシーンなどで用いられることが多く、いくら暗い色合いのものでも、冠婚葬祭などの厳かな儀礼式典には相応しくないと見られてしまうからです。

生地

使われている生地に関しても、礼服とビジネススーツでは大きな違いがあります。
ビジネススーツの生地は、綿にポリエステルなどの化学繊維を混ぜて作られた、光沢のある生地が多いです。しかし、礼服の生地は上質なウールを素材にした、光沢の少ないものが主流となっています。

冠婚葬祭などの畏まった場で光沢を持つ服を着ていては、周囲に「派手」ととられてしまうおそれがあります。そのため、主にそうした場で用いられる礼服の生地は、光沢の出にくい素材、織り方で作られているのです。

ただし、結婚式の二次会に出席する際に、光沢のある服を着るのは、何の問題もありません。

デザイン

礼服とビジネススーツには、デザイン面でも大きく違うところがあります。

多くのビジネススーツに見られ、礼服にないデザインがラペルです。
ラペルとは、ジャケットの襟の部分に施されたステッチのことで、一部のブラックスーツを除き、ほとんどの礼服には入っていません。フォーマルな場においてラペルは、「カジュアルな装飾」と見られてしまうため、礼服の場合、省略することが多いのです。

また、礼服には、ベント(ジャケットの裾に入っているスリット)も入っていません。
ベントは仕事着などに、動きを阻害しないよう刻むものであり、フォーマルな場で着用する礼服は、ノーベントが基本なのです。

NGなメンズの礼服マナー

礼服でNGなこと

ここでは結婚式で用いる礼服について、NGとされていることを紹介します。

白に近いカラーのスーツ

結婚式に出席する際は、着用するスーツの色について注意が必要です。
まずスーツの色を選ぶ基本として、白や明るいグレーといった白に近い色は避けるようにしましょう。

結婚式の主役はあくまでも新郎・新婦です。
新郎の衣装と近い格好をしていては、誰が主役なのか分からなくなってしまいます。

基本としては、黒かダークカラーのスーツを選ぶのがマナーといえるでしょう。
また、いくらおめでたい場だからといって、明るすぎる色や、ピンクなどのド派手な色を選ぶのも禁物です。

先に述べたように新郎より目立たないことを念頭に置き、悪目立ちするような格好は避けるようにしましょう。

黒いネクタイ

結婚式において、黒やダークカラーのネクタイを着けるのは絶対にNGです。
お葬式を連想させる暗いコーディネートになってしまいます。結婚式に出席する際は、白やシルバー系統の華やかなネクタイを着けるようにし、フォーマルながらも暗くなり過ぎないコーディネートを心がけましょう。

もし白やシルバーのネクタイが地味に感じるようなら、サックスブルーやピンク、イエロー、パープルといった、淡いパステルカラーのものを用いるのもおすすめです。

また、ネクタイの代わりに蝶ネクタイ(ボウタイ)を着けると、胸元が明るくなります。

カジュアル・アニマル靴と靴下

結婚式に履いていく靴は、黒の本革靴が基本。
ヘビ革やワニ革といった派手な革靴、スエード加工された靴や長いブーツなどはNGです。

靴はしっかりと磨き、汚れや傷が目立たないようにしておきましょう。
また、靴下については黒無地が基本で、白い靴下や素足は原則NGとなります。
椅子に座った時素肌が見えない、十分な丈があるものを用意しましょう。

ただし、二次会に出席する時は、派手な色や柄ものの靴下を履いても問題ありません。

メンテナンスされていない服

シワシワ、ヨレヨレの服装で結婚式に出席しては、当人だけでなく、式の印象全体を貶めてしまいます。身に付けるスーツやシャツ、ハンカチなどについては、事前にアイロンをかけておくようにし、周囲にだらしない印象を与えないようにしましょう。
自分でアイロンがけするのが難しい場合は、前もってクリーニングに出しておけば問題ありません。

男性も正しい礼服で結婚式に参加しよう

正しい礼服で結婚式に参加しよう

結婚式に出席する際の服装には、細かくルールやマナーが設定されており、直前になって準備するのはなかなか大変です。特に初めて結婚式に出席する場合は、勝手がわからず、間違った準備をしてしまう恐れもあるでしょう。

万が一、出席してから間違いに気付いても意味がありません。
恥をかかないためにも、事前に良く調べ、早めに準備しておくことが大切です。

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